時にホンダくん
自分の原形を見たことあるかい
八坂堂蓮が幼い頃に描き殴った
これを見たまえ
右にしっぽがあるだろう
その上にもチリ毛がある
何だか分かるかな
「NOw……」
驚かないで聞いてほしい
呼称は自生リード
正体は何のことはない
耳裏のほくろ毛さ
あどけないペンギンのフンを土踏まずで踏みしめた如く生半可な薄汚いほくろから生えた毛が束になって醜くも握りやすいリードを演じているのさ
そう事細かな注釈があった
生まれついてのペットにしか生えないともね
「Now――」
八坂堂蓮は京都出身なのに
なぜ北海道の痣を額に黄色くぶち込んだのか
その子細は書いてなかったけど
君の名は「肉ボーイ本田」とあった
趣味はへそ採集
「NOW」と唸るところはぶれておらず
ニキビと話せるんだって
もう訳が分からないよ
「Nowww」
そう落ち込みなさんな
僕の原形もひどいものさ
名はキモンちゃんとあった
僕の初期設定はこう
キモンちゃん(助手) 種族 栗科 趣味 栗拾い 特技 栗めくり 日課 友食い 長所 八つ当たり 一言 別にかまってほしいから鬼門!鬼門!ってほざいてるワケじゃないんだよ!ただちょっとだけかまってほしいだけのことなんだよ!うん。そこ、鬼門! |
だってさ
(助手)について触れた記述も念入りにあったけど、気が触れているとしか思えないから割愛しよう
何はともあれ
僕は栗科から始まったんだね
作者が大人になって上京し
世間ずれしてハマグリになった
死んだロックスターに魅せられて
CITY01なるアルバム制作に取りかかるが
デモだけ作って女と博打に身をやつし
お先真っ暗の物書きに走った
感慨ひとしお――
「now」
今、たしかに笑ったよね
あれ、こんなところに
青いイノブタの貯金箱が……
誰の落とし豚かしら
ちょうど賽銭したかった
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